GOC GUITARS外観・品質レビュー
前回手に入れたこのギター、弾く前に細かく外観からいろいろチェックしていきます。
結論から言うと色々気になる所がある状態・・・。
NEKO GUITARの件もありますが、タダで頂いたものですし可能な限り中立かつ公平にレビューしていきます。
良いこと、悪いところ分けて記載していきます。
あくまでサンプル品ということをお忘れないよう見ていただければと思います。
悪いところ
①フレット・フレットサイドの処理が雑だけど丁寧
横から見るとわかりますが、1・2・4フレットのサイドが浮き出ています。
フレットは打ち込んだ後、目立てヤスリなどを用いてはみ出た部分を削り落とすのですが、ナットやネックエンド部分の近く等ヤスリが当てにくい部分が削れないままフレットサイドを丸めているように思います。
サイドの処理だけを見るとだいぶ綺麗に丸められています。
痛くはありませんが握ると違和感と引っかかりを感じます。
フレーズによっては厳しい引っ掛かりにもなりえそうです。
同じようなことを考えられているツイートを見かけました。
新しいギターのフレット処理が甘くて飛び出したフレットに弦が引っかかってしまう原因でだいぶ失敗してしまいました、、、これから修繕して明日はなんとかやれる様にします(T_T)
— にこ (@25_unfini) August 10, 2019
来てくれた方すいませんでした(T_T)
考えられない構造的欠陥が多すぎてGOC guitarsを購入するのはおすすめしません。。。 pic.twitter.com/5tKKwcqG7v
ですが、新品10万円しないモデルでありながら非常に硬いステンレスフレットをIBANEZ社のJ.CUSTOM並みに球状化しているのは評価されるべきだと考えます。
②アース処理がお粗末
ブリッジの駒の間を見るとアルミホイルのような物が見えますが、まんまアルミホイルです。
弦アースをここに落としています。
問題はありませんが・・・問題はありませんが、10万円前後のギターを販売しているのであればもう少しやりようはあったのではないかと思います。
ですが各弦独立型のブリッジで全弦アースに落とすには一番手っ取り早く安価な方法であるとも言えます。
同様の印象を抱かれた方のツイートがありました。
そういやGOCをリペアに出してリペアマンから状況報告があったんですが、ブリッジと留め具部分が相当エグい事になってたみたいでリペアマンも困ってて草。GOCの日本スタッフがESPクラフト科だかなんだか言って日本でパーツ組んでたらしいけど本当に腕を疑うわこりゃϚ⃘๑•͡ .̫•๑꒜ pic.twitter.com/Mb8y15ileZ
— iori@冬コミ申込中 (@sidfos305wd_) August 9, 2019
③ブリッジの高さが欠陥的・ビビるポイントがある
2、3枚目の写真を見て頂ければわかりますが12F上で1弦側1.7㎜6弦側2.2㎜程度の弦高です。そしてこれ以上下げられません。
メーカー標準出荷弦高の範疇だとは思いますが、メタルギターとしてはやや高めな状態です。
そして、1枚目の写真を見ると1弦、6弦共にこれ以上下げるクリアランスがないことが分かります。
つまり、ブリッジのザクリの高さが足りない状態なのかと思われます。
uhgziro的に弾きやすい弦高は6弦1.5㎜1弦1.0㎜程度です。
速弾きや弦のペチペチ感が好きな方には向きません。
先程と同じ方も弦高について悩まれていました。
#GOCguitars
— にこ (@25_unfini) July 13, 2019
簡単にまとめると
•ボディ打痕
•ボディに半田付着
•8弦に対する理解が少ない方が作業されているのか、1弦弦高が初期設定2〜2.5mmが下方の限界。
•ブリッジチューニング部が2〜7弦干渉、3〜4弦間は固まって中々動かない。
以上です。
同じ日本人としてこの状態で出荷は恥ずかしい。 pic.twitter.com/0xBHzIieVL
ちなみに私の持っているモデルは4か所バズるポイントがあります。
すり合わせが必要です。
④艶消し部分の磨き度にばらつきがある
ナット側のほうが艶消し度が高い。サンプル品であるためにロゴ?があったのを消したのか元々こうだったのかわかりません。
⑤指板の磨き度にばらつきがある
写真ではわかりにくいですが1F上の部分だけ荒く白っぽくなっています。
フレットを打つ前に指板を磨くのが普通だと思いますが、1Fはどうも足りていないように見えます。
良いところ
①はんだ付けが綺麗
予想外でした。10万円前後でも玉のようになっている半田はよく見かけますがこれは綺麗に処理されています。高級クラスと同等とは言えませんが。
スイッチは安物ですが、ポットはALPHA社製の物が採用され、同価格帯でも見受けられるような配線材が半田で宙ぶらりんな状態になっておらず担当者のこだわりが見受けられます。
②導電塗料が綺麗に塗られている
導電塗料は塗りにくいものですが、これは綺麗に処理されています。(キャビティ内の黒い部分)
③バックパネルのノイズ対策もされている
写真はキャビティパネルの裏側ですがしっかりアルミが張られております。
細かいところには非常に気を使われる印象です。
④ハイフレットでも弾きやすい
ネットポケットのボディ厚が薄いためヒールスレス処理されたスルーネック並みに弾きやすいです。
⑤謎のオープンギアペグの精度が高い
DER JUNG製(ALIEXPRESSで手に入る?)と思われるペグですが小一時間弾いていてもチューニングがずれません。パーツ単位では良い物を使っている様です。
総評
フレットワークや木工ができる方には安い素体としておすすめですが、私のような良し悪しが分かるだけの素人にはおすすめできません。
価格帯にしてはいろいろ豪華な仕様ではありますが楽器の完成度という面で見ていくと、どうも今一つ足りない部分が見える。というのが私の感想です。
職場にギター工房出身の仲間がおりますので、教えてもらいながら手直しをしていく予定です。
お楽しみに。